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  • OCT

OCT Principle

本社のSS-OCT技術原理について、説明させていただきます。

チュートリアル 1

光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、非侵襲な光学的画像計測方式であり、1次元の深さ方向、2次元の断層画像および3次元の体積画像をμmレベルの分解能で数mmの深さにわたり、リアルタイムで測定することができます。 OCTは異なる物質の層より反射した光を用いて、サンプル内の構造を画像化します。
OCTイメージングは、超音波測定と類似する点がありますが、測定深度が若干浅くなる代わりに、非常に高い分解能が得られることが特長です。 最大深さ数 10 mm、軸方向分解能 5 μm以上での画像化が可能なことにより、OCTは「超音波」測定と「共焦点顕微鏡」による測定とのちょうど中間の測定装置として位置づけられます。
高分解能と深部イメージングに加えて、非接触、非侵襲の利点は、生体組織、小さな動物や物質の画像サンプルの取得に適しています。

Principle 1

チュートリアル 2

現在では高速、高感度で測定可能なフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ (FD-OCT)が主流となっております。FD-OCTは光源のコヒーレントな性質を利用してサンプル中での光路長の遅れを測定する、低コヒーレンス干渉法に基づいています。 OCTではμmレベルの分解能で断面画像を得るために、干渉計はサンプルから反射された光と参照アームとの光路長の差を測るように設定されています。
図2が示すように、光はマイケルソン干渉計のサンプルアームと参照アームに分けられます。サンプル中の屈折率の変化により引き起こされる反射光 は、サンプルアーム光路のファイバ内へ再入射され、一定の光路長を伝送されて参照アーム中を戻ってきた光と結合されます。その結果得られるインターフェログラム (干渉縞)は干渉計の検出アームを通して測定されます。
光検出器によって測定されたインターフェログラムの周波数は、サンプル中での反射体の位置の深さに関係します。その結果、深さ (1次元)方向の反射率プロファイル(A-スキャン)は、測定されたインターフェログラムをフーリエ変換することで得られます。2次元断層画像(B-スキャン)は、OCTサンプルへの照射光線を走査させることによって作成されます。サンプルアームの光線はサンプル中を走査するので、一連のA-スキャン情報を重ねることで2次元画像が作成できます。

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Swept-Source OCT

同様に、OCTの光源が直行する方向に走査されると、2次元画像の集合により3次元体積データセットを構成することができます。FD-OCTでは2次元画像はミリ秒単位で測定され、3次元画像は現在では、1秒未満のレートで測定されます。
当社のOCTはFD-OCTの中でも最先端技術の高速波長掃引光源を用いた方式(SS-OCT)を用いており、高速、高感度、長い測定レンジを有します。 SS-OCTでは、高速でインターフェログラムを得るために、高速周波数掃引光源とフォトディテクタを使用しています。インターフェログラムは光周波数の関数として検出されます。参照アーム内の光遅延は固定されているため、サンプルの異なる深さからの反射光は、異なる周波数成分を持つ干渉縞を作り出します。次にフーリエ変換で異なる深さからの信号を分離することにより、サンプル深さ方向プロ ファイルを生成します (A-スキャン)。

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波長帯域

OCTで使われる波長帯域は、測定対象物の光の吸収と散乱特性を考慮する必要が有ります。基本的に水の吸収は波長が長いほど大きくなり、散乱は波長が長いほど小さくなります。例えば、眼底を測定する場合、硝子体による水の吸収を少なくするために、従来は800 nm帯の波長が使われています。最近では、より散乱係数が低い 1060 nm帯の波長を使用して、散乱体である網膜組織での測定深度を向上した診断器も増えています。一方で皮膚や内視鏡応用の場合、水の吸収よりも組織の散乱による測定深度の低下を避けるために、1310 nm帯の波長が使われています。工業製品も同様で、一般的な工業製品では散乱の影響が大きく、1310 nm帯の波長が使われています。1310 nm帯の波長を使うメリットの一つとして、光ファイバ通信で使われている高品質、低価格な部品を使える事があげられます。当社では、1060 nm帯と1310 nm帯のSS-OCTシステムをご提供しております。

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スピード & 測定深度

イメージング速度

単一の深さプロファイル(強度 vs 深度)はAスキャンと呼ばれています。2次元断面画像は、横方向にOCTビームを走査し、連続的にAスキャンを収集することによって形成されます(Bスキャン)。Bスキャンにかかる速度は、Aスキャンに依存します。 Aスキャンレートと感度は、連動している光学パラメータです。Aスキャンレートが高くなると感度は低下します。
実際には、OCTシステムのAスキャンの速度が速いほど高速測定が可能となり、感度が高いほど高コントラストの画像を取得できます。一般的にはAスキャンレートと感度の間にはトレードオフの関係となります。
当社のOCTでは最速 400 kHzのAスキャンレートを得られるモデルが有ります。

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測定深度

OCTシステムの測定深度は、基本的に測定対象の光の吸収と散乱により制限を受けます。さらにFD-OCTの場合にはナイキスト定理による測定データ数によっても制限され、測定データ間隔が短いほどより長い(深い)測定深度が得られます。測定データ間隔はデータ取得側のスピードと、光源のスピードによって決まります。
一方で光源の可干渉性(コヒーレンス長)によって、測定距離(深度)が長いほど信号強度が低下していきます。コヒーレンス長の定義は干渉縞の振幅が半分(点像関数では -6 dB)になる距離で、OCTの場合は測定物から反射してくる光を検出するため、深さで換算するとその半分となります。つまりコヒーレンス長の半分の深さで点像関数の強度が 6 dB低下する事を意味します。
当社のOCTでは、最大で 70 mm以上の測定深さレンジを得られるモデルがあります。

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分解能

軸方向分解能

OCTでは、軸方向(深さ)分解能は異なる要因に依存し、イメージング深度とは反比例します。OCTシステムの軸方向分解能は、ベースユニットの設計に大きく左右されます。他にも、試料のプローブに使用する光源の中心波長と帯域幅や、試料の屈折率にも影響を受けます。これらが大きくなると、軸方向分解能は向上します。 軸方向分解能はイメージング深度と連動します。どちらかを向上させると、もう一方のパラメータが犠牲になります。当社のOCTシステムでは生体内で 5 um以下の分解能を得られるシステムも有ります。

横方向分解能

横方向分解能は、プローブのレンズの特性に依存します。横方向分解能と焦点深度はトレードオフの関係にあり、高い横方向分解能が必要な場合は、焦点深度が短くなります。
当社のOCTシステム IVS-2000では、お客様のご要望に応じ、レンズの特性を選定いただけます。

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